「ブレードランナー2049」2017年/ドゥニ・ビルヌーブ監督
出演:ライアン・ゴズリング ハリソン・フォード 他
気楽に見れる★★
お話が凝ってる★★★★★
映像がすごい★★★★★
硬派★★★★★
サイバーパンクな世界観の映画の先駆けとして有名な「ブレードランナー」をやっと見ることができました。「2049」も一緒に見ました。
派手なSFも好きですがほの暗く硬派なSFも大好きなので、一瞬で「これワイが好きなやつや…」と分かりました。好きです。
考察など難しいことや話の本質についてなんかはは的外れなことを書いても申し訳ないので、語彙力のない感想を綴っていこうと思います…笑
■オタク向け映画
宇宙開拓の前線で奴隷として使われている人造人間「レプリカント」。製造から数年経つと、レプリカントには感情が芽生える。
感情が芽生えると人間に反逆するので、安全装置として寿命年限を4年にするが、それでも脱走して人間社会に紛れ込もうとするレプリカントが後を絶たない。
そんな脱走したレプリカントを抹殺するのが「ブレードランナー」で、主人公のデッカードもまたブレードランナーである…という設定は今でこそありがちというか、比較的単純です。
派手なアクションシーンが多い映画ではないので、淡々とほの暗い印象です。「2049」の方は少し派手なシーンもあって最近の映画だなと思わせる部分もありますが、雰囲気は共通しています。
ドキドキワクワクする、ストーリーに惹きこまれる…というよりは、世界観とか雰囲気に浸る映画かなと思います。後述しますが、特に舞台美術がほんとに世界観をよく表現していて、かっこよく画期的です。
「ブレードランナー」の世界を舞台にしたいろいろな話がもっと見たいな…と思ったんですが、それ二次創作を求めるオタクの感情や…。どうも、私がオタクです。
公開当時に流行っていたSFが「スターウォーズ」とか派手なものだったことを考えると正反対というか、こういうコアな内容を80年代にもう先駆けてやってたというのはすごいことだなあ…なんて思ったり…。
大衆向けではないですが、日本の昔の硬派なオタク(?)が好きそうな映画。そういうのが好きな方は是非。
■美術がかっこよすぎる
何故か漢字やひらがなが書かれた怪しく光るネオン看板、モニターに映し出される美女の巨大すぎる看板、人種の入り乱れた雑多なチャイナタウンのような雰囲気に、近未来のはずがどこか古めかしく退廃的な機械造型、降りしきる酸性雨。
まさに「サイバーパンク」と聞いて思い浮かぶような光景が「ブレードランナー」の舞台です。一種のサブカルクソ女が好きなやつです。私も大好きです。
最初に見たときは思わず「これ「ゴースト・イン・ザ・シェル」で見たな…」と呟いたんですが間違いなくブレードランナーの方が元祖です。今思えば「ゴースト・イン・ザ・シェル」の方が「ブレードランナー」を意識してたんでしょう、多分。(監督のインタビュー等見てないのでどこかで明言されてたらすみません)先に「ブレードランナー」を見ておくべきでした。
やっぱりこの世界観を80年代のうちに映画の舞台に持ってきたのはすごいセンスだなと思うのです。高度なマシーンなのにモニターはブラウン管だったりするのがほんとにたまらん。
■まとめ
人造人間は人間にはなれないのか。感情があっても人間ではないのか。記憶が魂を作るなら、他の誰かの記憶を持つ自分の魂は一体何者なのか。
SFにおいて普遍的なテーマであるサイバーパンクを、超かっこよくて渋い世界観で描いてます。
私と好きなものが似ててまだ見てない人は見てね。