「クソ野郎と美しき世界」感想文(ネタバレなし)

2017年/監督:園子温 山内ケンジ 太田光 児玉裕一

出演:稲垣吾郎 草彅剛 香取慎吾 など

気楽に見れる★★★★

お話が凝ってる★★★

映像がすごい★★

音楽が良い★★★★

 

こんにちは~やぁたろです。

今年20184月公開の「クソ野郎と美しき世界」がAmazonプライムで配信されていたので見てみました。配信早い。

稲垣吾郎と草彅剛と香取慎吾、元SMAP3人の新しい出発を表現するファンムービー的な要素が強いですが、サブカル映画的雰囲気や考察が捗りそうな伏線など、敬虔なSMAPファンではなかった自分でも意外と楽しめました。(敬虔なファンではなかったとはいえライブに行ったことがあったりスマスマを楽しみに見ていた時期があったり、それなりにSMAPに対して親しみを持っていた方だとも思いますが…)

メジャーな方が主演の映画ですが大衆向け娯楽映画の雰囲気ともちょっと違う、いろいろな人の考察を読んでみたくなる面白い作品だと思います。プロ考察厨の方の考察お待ちしています(笑)

 

 

 

 

クソ野郎と美しき世界」はそれぞれ主演・監督が違う4本の短編で構成されたオムニバス映画です。3編+まとめの章の計4本と言ってもいいかも。

それぞれ話もテイストも違いますが、最後に少しずつ内容が噛み合っていくのが面白いです。

 

エピソード1「ピアニストを撃つな!」はサブカルクソ女必修科目の「愛のむきだし」や「冷たい熱帯魚」などでおなじみ(???)園子温が脚本&監督を務めます。ちなみに自分はまだ園子温作品未履修です!すみません!

開幕からはちゃめちゃカオス気味なストーリーでやや面食らうかも。映像表現や構図、色彩など視覚表現がかっこいいです。そして吾郎ちゃんが意外と口ひげ似合う(笑)デッドプール並にこちら(観客)側に話しかけてくるのも面白い。

 

エピソード2「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」はCMや舞台演出、劇作家として活躍している山内ケンジが脚本&監督。

ウンコを食べさせられる話です(語弊なし)

歌を食べる女の子という設定がファンタジックながらも東京の街がリアルだったり、奇妙さが面白いです。

エピソード1と打って変わって分かりやすい作品かなと思います。

 

エピソード3「光へ、航る」はお笑い芸人、爆笑問題太田光が脚本&監督。

映画の脚本・監督は初のようですが(Wikipediaを参照したので間違っていたらすみません)ストーリー全体やシリアスな雰囲気の中に差し込まれるボケなど含めてまとまりが良く、「クソ野郎と美しき世界」の中でも一番分かりやすいエピソードじゃないかなと思います。

このエピソードだけ草彅くんの役名が自分の名前「ツヨシ」ではなく「オサム」なのが気になる…。エピソード4にて1の登場人物との関わりが明らかになるのでそれを伏せるためのギミックなのかもしれませんが、もっと何か意味があるのでは?と深読みしてしまいます。考察班来て…(笑)

 

エピソード4「新しい詩」はこれまでのエピソードの登場人物がパーティー会場に集結するメタ的な章。

監督&脚本は椎名林檎東京事変PerfumeなどのMVを手がける児玉裕一で、このエピソードも短編映画というよりMVの要素が強いかな?と思います。

華やかな映像と音楽に乗せてそれぞれのエピソードの顛末が語られ、少しずつ相互に噛み合っているという構成で1本の映画としてまとまるのが奇妙な雰囲気を持ちつつ面白いです。

 

慎吾ちゃんの歌のパートで「我々が子供の頃からTVの中の存在として親しかったSMAPの終わり、平成の終わり」「私も大人になったしいろいろなもののかたちが変わるんだな」とふいに思ってしまいちょっと泣けました。

直接押し付けがましい表現は何もないはずなのにそういうノスタルジックな気持ちを呼び起こす絶妙な表現を散りばめた映画なのかもしれないです。

 

そして最後のエンドロールで流れる歌がやっぱり意味深!考察班~~~!!(笑)

 

 

■まとめ

2間に満たない短めの映画ですがそれを感じさせないボリュームがあり、急ぎ足感もなくまとまっていてすごく楽しめました。

「一つの映画作品」と「SMAPファンへ向けたファンムービー」の中間的位置かなと思いますが、考察・深読みや映像表現も面白いし、熱心なファンではなくてもSMAPと共に過ごした世代ならファンムービーとして見ることもできるある意味絶妙なバランスの映画なんじゃないかなと思います。

 

今回はそんな感じで~ではまた。