「オカルト」感想文(ネタバレなし)

2008年/白石晃士監督

出演:宇野祥平 白石晃士 など

気楽に見れる★★

お話が凝ってる★★★★

映像がすごい★

こわい★★★

 

こんにちは、やぁたろです!

 

自分、特にホラー映画好きというわけではないのですが、去年ニコニコ生放送で「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」というホラー作品を見て以来、同作品の脚本・監督である白石晃士監督のホラーにハマっています。

尤もホラー映画を見ないのはこわいものが苦手なわけではなく「ビックリ系やスプラッタ系は見ると疲れる」というのが理由で、学生の頃は2ch発祥洒落怖まとめやオカ板まとめなんぞを読み漁っておりオカルト・迷信・都市伝説のようなホラー自体はけっこう好きだったりします。白石監督のホラーはそんな私の嗜好にピッタリなのです。(貞子vs伽椰子はホラーというより怪物バトル映画のような気もしますが…笑)

 

今回はそんな白石監督のホラー映画「オカルト」の感想文です~。ずっと見たかったのでやっと見れてうれしい。笑

 

 

 

■リアリティ+神話+怪奇現象+フェイク=疲れずに見れる楽しいホラー

通り魔に襲われた男・江野祥平は事件に遭って以来怪奇現象や謎の声が聞こえるようになり、この声による「神の啓示」を受けたとして儀式である大量殺人を計画します。

一方、通り魔事件を調べていた映像ディレクターの白石晃士は、江野祥平の密着取材をする中で彼が通り魔に切られた傷の形がヒルコの神代文字であることを突き止めます。

白石は江野の大量殺人を止めようとしますがやがて白石にも異変が起こり、「全てを記録する役目がある」という江野の言葉を信じて彼に協力するようになる…というあらすじ。

 

白石監督のホラー作品はモキュメンタリー(架空の人物や事件などを主軸にした内容をドキュメンタリー風に表現する手法)を用いた作品が多いです。今回見た「オカルト」もその一つ。ドキュメンタリー風に撮られたホラーはリアリティがグッと増して変にびっくりさせたりしなくても十分こわいです。

「オカルト」では監督自ら出演し、劇中では映像ディレクターとして登場します。ちなみに「コワすぎ!」でも演じる役名こそ違うものの同じく監督自身がカメラマンとして出演しており、更に「オカルト」と世界観を共有していることが示唆されています。「コワすぎ」「オカルト」以外の作品でも共有される設定が登場するタイトルがあり、これも白石監督作品の魅力の一つだと思ったりしてます。世界観が共有されてるとかそういうのオタク好きやろ。私は好き~。

 

「オカルト」はUFOポルターガイスト現象に始まり、ヒルコや神代文字、神の啓示など古代日本神話的要素が絡み、よくある幽霊の呪い~とか殺人鬼が追いかけてきて~みたいなホラーとは少し雰囲気が違います。私みたいに都市伝説やオカルトネタが好きな方は間違いなく好きな雰囲気だと思います。

ビックリさせるような描写やショッキングな画面もほとんどないのですがドキュメンタリー風というリアルさも相まって一貫して不気味で、ある意味安心してホラーとして楽しめます(?)

 

また白石作品に於けるホラーはキャラが特徴的で、今作のキーキャラクター江野も「神の啓示」を信じる不気味さがある一方厚かましくクズっぷりを発揮するどこか抜けたところもあり、非常にクセになります。

この「頭がおかし………」とホラー要素のギリギリを行く人物像や演出がめちゃくちゃうまい。何かに洗脳されている?それとも妄想が激しくなっている?と思ってしまうような言動と、劇中での「現実」にリンクしていく怪奇現象のさじ加減が絶妙なのです。

個人的には「頭が……」ってなるポジションにリリーフランキーをキャスティングした白石ホラーとかめっちゃ見たい。笑

 

ラストの白石と江野の渋谷でのひと時はいっそ爽やかですらあり非常にエモーショナルでした。そして「時空のはざま」的空間のチープなコラ映像はある意味「いつもの」の安心感(笑)

リアルで怖いのに明らかに作り物という面白さ。「私が見たかった白石ホラー」で超大満足でした~。

 

 

■まとめ

同じくモキュメンタリーで撮られたホラー映画「ノロイ」よりもエンタメ性が高いかな?という印象ですごく楽しかったです。

「コワすぎ!」シリーズがめちゃくちゃ好きなので「江野くんや!江野くん出てきた!」と大興奮でした笑

都市伝説・オカルトなどなどが好きな人は絶対楽しめると思うのでおすすめです!今年もニコ生でコワすぎやってほしいなぁ~。

 

ではまた!

 

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