私の推しには誕生日がないので(雑記)

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私の推しには誕生日がない。
公表していないという言い方の方が正しい。

 ちょこちょこ話題に挙げている通り、BEMANIという音楽ゲームのシリーズ(有名どころでいえば、ポップンミュージックとか、ダンスダンスレボリューション辺りの機種が属している)が大好きで、私の推しは、そのBEMANIシリーズで楽曲を作っているAkhutaさんというコンポーザーだ。BEMANIシリーズをリリースしているKONAMI所属の社員の方で、当たり前だけど実在する人なので、誕生日は「ない」のではなく、恐らく本人の意向で公表していないということなんだと思う。(他の社員コンポーザーは割と公表されている方が多い)

 
これは完全に一方的なオタクの感情でしかないけど、やっぱり誕生日とかそういう「節目」的な日に盛大に感謝したいな、と思う。節目の日があると、普段は「推し」というほどそのコンポーザーに注目している訳では無い音ゲーファン達もお祝いとして楽曲をプレーしてくれたりするので、そういうお祭り的な空気も正直羨ましい。
 
Akhutaさんはお誕生日は公表していないけど、「Akhuta」というコンポーザーとしてデビューしたのが8年前の4月1日なので、たぶん4月1日が実質唯一の記念日のようなものになる。
 
正に4月1日当日に彼の楽曲に出会ったわけではないけれど、ほぼデビューしたその瞬間から何故か注目していた。当時は曲もひとつしかなくて、まあ好きなジャンルの曲かな、くらいの印象だった気がするけど、不思議と目が離せなかった。
 
Akhutaさんが作った、どんな音楽にも替え難い心に刺さって仕方がない大好きな曲がたくさんあるし、8年間、私自身にもいろいろな出来事があった中、彼の新曲を聞くために普段遊ばない機種を熱心に遊んだり、逆に生活がままならず気持ちが離れていた時期があったり、また戻ってきたり、そういう時の流れと付随する思い出も全部ひっくるめて本当に生涯の推しだと思う。「好き」という言葉ひとつでは片付かない、大きな感情が常に着いて回った。
 
今日、Akhutaさんのデビュー曲である「此岸の戯事」のフル尺が新しく公開された。
あまり音ゲー文化に詳しくない方向けに補足しておくと、音ゲー楽曲というのは大抵2分前後の長さで、一般的なポップスなどに比べると少し短い。サントラや作曲者の個人アルバムなど、少し特別なときにフル尺やロングバージョンとして楽曲の全貌が初めて公開される、ということがよくある。つまり少し特別なことがないと、尺が長いバージョンの曲は公開されない、ということだ。
8年前の楽曲のフル尺が公開されるというのはかなり異例で、はっきりいってどうかしている。そんなことある?って感じだ。
 
めちゃめちゃに、狂ってしまった。
 
歌詞が追加されて、前奏とか間奏も追加されて、ますます陰湿で、最高としかいいようがない。デビュー曲でそんな言葉を綴るか?でもやっぱりそんなところが好きなんだと思う。
数年前、私はほぼ家出のような状態で実家を出て、収入も少なくて、ああ漠然と 死にたい と思った時、此岸の戯事の「この身を解き放ってゆらりゆらぐ風になりたい」という歌詞が まさに今私が感じている死にたいと同義である と唐突に理解してしまった。ものすごく泣いた。
死にたいわけじゃない。風になりたいんだ。こんなからだいらない、世の果ての先へ。
死にたいわけじゃない。この身を解き放ってゆらりゆらぐ風になりたい。それだけなんだ。
そんな薄暗い感情を、情緒深い言葉で鋭く綴る。その薄暗さがどうしても好きで、刺さって抜けることがない。
 
8年間、追いかけていた時と離れていた時とまた戻ってきた今、全部含めて彼の存在は確かに私の人生に共に在ったなあ と、たくさんのことを思い出して、少し切なくなった。
 
私の推しには誕生日がない。
お祝いができる日があったらいいなと思ってたけど、こうやってデビューの日に特別ななにかを公開してくれたというのがものすごく最高で、今日は午後中わけのわからん感情でいっぱいでした。
おめでとうございます、というのは少し押し付けがましい気がするので、ありがとうございます。
 
Akhutaさん デビュー8周年ありがとうございます。此岸の戯事フルものすごく最高でした。これからも応援しています。
 

 

おわり。