「映画ドラえもん のび太の月面探査記」感想文(ネタバレなし)

2019年/八鍬新之介監督
声の出演(ゲスト):広瀬アリス吉田鋼太郎など
気楽に見れる★★★★★
お話が凝ってる★★★★
映像がすごい★★
泣ける★★★★★

 

こんにちはやぁたろです!

今回は毎年すっかりお馴染みの映画ドラえもんのび太の月面探査記」の感想文です。
ドラえもん、ここ数年はかかさず見てるんですがほんとに外れなくてすごい…!

 

■子供向けアニメの善性に焼かれて灰になる
テレビで月面探査機が白い影を捉えたニュースを見たのび太は、クラスのみんなに「月のウサギだ!」と主張しますが笑われて一蹴されてしまいます。そこでドラえもんと一緒にひみつ道具「異説クラブメンバーズバッジ」を使い月にウサギ王国を作ることに。
ウサギ王国を見守るなか、ある日突然転校してきた不思議な少年「ルカ」。ルカとの出会いをきっかけに、異説と通説、現実と幻想が織り交ざる、不思議な冒険が始まります。
 
子供向けアニメを見るといつも思うんですが、あまりにも「善」がシンプルに真っ直ぐでなんだか私はそれだけで切なくなっちゃうんですよね。誰にでも分かる言葉で正しいことを表現する。矮小な悪人の私は、その言葉にある種の恐怖すら感じるのです。今年の映画ドラはその真っ直ぐさが特に顕著だったように思います。帰り道でわけのわからない恐怖に囚われてめちゃくちゃに走ってしまいました。なんちゅー大人だ。
「月面探査記」のメインテーマはシンプルに友情です。今作で初登場のオリジナルキャラクターである「ルカ」には、いわばこれまでの積み重ねの設定の重みのようなものはないのですが、それでも2時間に満たない本編の中でほとんど完璧にのび太たちと友情で結ばれる様子を描いています。脚本と演出の妙です。作中で定義される友情が本当に簡潔で当たり前に正しくて、わけも分からずボロボロ泣きました。
この「当たり前な正しさ」、これが子供向けアニメのミソで大人はどうもこれに弱いような気がします。それとも私だけが異常に敏感なんだろうか。圧倒的な善性を突きつけられて完全に灰になりました。
 
そして今作のもうひとつの重要なテーマが「想像力」。「異説クラブメンバーズバッジ」は、世にある「異説」を現実に変える道具。
異説はもちろん現実ではないのですが、これまでの技術や科学の進歩は異説から広がって行った、想像力は未来だ…という正にこれから未来を担っていく子供たちに対するこれまたあまりにも正しく真っ直ぐな呼びかけを、わくわくする冒険とともに表現するギミックとして非常に優秀なわけです。もうほんと巧妙すぎてこわいよ。
 
と、まあごちゃごちゃ書きましたが単純にワクワクする冒険と泣ける友情で非常に良かったです。お話の雰囲気の好み自体は去年の方が好きかなーとか思ってたんですが今年の方が5倍くらい泣きました。もう歳だから綺麗なもの見ると泣いちゃうんだ…。
 
 
■まとめ
映画ドラえもんを見る度に日本のアニメの底力を感じます。本当に力がある制作陣が丁寧に作ってるんだな〜という感じ。今年もとっても良かったです!
ではまた〜。