「羅小黒戦記」感想文(ネタバレなし)

2019年/MTJJ監督
気楽に見れる★★★★★
お話が凝ってる★★★
映像がすごい★★★★★
かわいい★★★★★
 

こんにちはやぁたろです!

今回は中国のアニメ映画「羅小黒戦記」!
札幌での上映がなかなか来なかったこともあり2019年ギリギリになってしまったのですが、いや正直期待以上でした…!なんとかしてまた見たい…
 

 ■素直な視点が描く優しくてワクワクする物語

自然に由来する不思議な力を操る妖精と、人間が共生する現代社会が舞台。妖精は人間に対して正体を隠して街で暮らしたり、人間に見つからないように人里離れて暮らしたりしています。
子猫の姿をした主人公の妖精「小黒(シャオヘイ)」は人間の森林開発により住処の森を追われ、居場所を求めて彷徨うことに。同じ妖精である「風息(フーシー)」に助けてもらい仲間たちと一緒に暮らそうと提案され、やっと居場所を見つけたと思ったシャオヘイですが、次の日風息たちを追っている館の執行人という「無限(ムゲン)」が現れ、シャオヘイはフーシー達と別れ一人取り残されてしまいます。
ムゲンはシャオヘイを館へ連れて行くと言い、シャオヘイは恩人であるフーシーを襲ったムゲンに対して不信感を抱きつつもしぶしぶ同行することになりますが、だんだんとムゲンは悪い人間ではないということが分かって…
 
 
児童書みたいな優しいタッチと、シンプルながらも迫力のアクションが特徴的。海外のアニメには日本とはまた違う角度から切り込んでるデフォルメが多いよなーと思います。センス良い!キャラクターデザインもみんな可愛くて馴染みやすいです。
人間と妖精、人間と自然との共生が大まかな話のテーマで、ちょっと「平成狸合戦ぽんぽこ」を思い出しました(「羅小黒戦記」は対立を描いている映画ではないんですが…)
主人公のシャオヘイは初めは人間に住処を追われたことから人間のことが嫌いなのですが、自分の目で見て感じた物事をまっさらな心できちんと自分の中で咀嚼して考えることが出来る賢いとってもいい子で、この視点の素直さが「羅小黒戦記」の物語全体の仕上がりをすごく綺麗で気持ちのいいものにしていると思います。
対立している両者もそれぞれの視点から見ればそれぞれの正義や言い分、いいところ悪いところがあって、一概にどちらが悪でどちらが正義とは言えないんですよね。中立の立場で考え、どちらも平等に尊重した上で自分の考えを示す。シンプルだけど大切な考え方です。
シャオヘイと共に旅をすることになるムゲンは人間ですが妖精を守るための組織に属していて、ムゲンにもムゲンの正義があり、シャオヘイにも正しく平和にものごとを見て欲しいという願いはありますがあくまでもシャオヘイ自身が感じて出した答えを尊重し続けるんですよね。ムゲンは達観していて非常に大人な立ち振る舞いをし続けていると思うんですが、だけどちゃんと人間味もあってすごく好感度が高い!シャオヘイとの掛け合いがとっても可愛くて、だんだんと二人の間に芽生える絆が微笑ましくてたまりませんでした…!
シンプルでわかりやすくて、だけど実行するのは少し難しいような、でも心がけ次第で世界がとっても平和になるんじゃないかな、そんなテーマを大人にも子供にもわかりやすく、そして面白く描いている良作だったと思います。戦闘シーンやキャラクター設定にも童心を思い出させてくれるようなそんなワクワクがいっぱいでした!
 
 
■まとめ
配給の関係で上映劇場が限られているのですがじわじわ話題が広がっている「羅小黒戦記」。もっとたくさんの人が見られる環境になったらいいなと思いました…!本当にすごくよかった!
今回はこのへんで!ではまた〜