「JOKER」感想文(ネタバレなし)

気楽に見れる★
お話が凝ってる★★★★
映像がすごい★★
音楽がいい★★★
 
 

こんにちはやぁたろです!

今回はネット界隈でもかなり話題になった「JOKER」の感想文ですー。
 

 ■カリスマ性の悪

舞台は貧富の格差が深刻なゴッサムシティ。財政難で清掃業者がストライキを始め、街の人々の心は荒みきっていた。
ゴッサムシティで母親と2人で暮らす大道芸人のアーサー・フレックは、日常的に精神安定剤を併用しており発作的に笑いだしてしまう病気を抱え、更には仕事中に街の不良少年から看板を奪われ暴行を受けてしまうなど、貧困層の中でも特に無力な存在だった。
そんな彼がなぜバットマン最大の宿敵「ジョーカー」になったのかを描く、ジョーカー誕生のきっかけの物語。
 
バットマン」が登場する現行のシリーズもの「DCEU」や過去のバットマン作品とは独立した、単発短編映画でジョーカーを描く本作。
他の映画と繋がりがないので一応この作品単体でも楽しめますが、やっぱり「バットマン」の基本的な知識があった方が楽しめるかな?と思います。
過去色々な作品に登場して様々な描き方をされているジョーカーですが、そもそも「ジョーカー」というキャラクターの概念はもうカリスマ性が尋常じゃなくて、要するにものすごく人気キャラクターなので下手な描き方は出来ない…そんな存在なんですけど、この「JOKER」はかなり隙がなかったなと思います。
自分が何か世の中の平均より圧倒的に劣っていて、どう足掻いてもそれをどうにかする術がない、という感覚を持ったことがある人であればあるほど、ジョーカーに対する共感度や憧れが高いのではないでしょうか。それをこんなに魅力的に「悪役」として描いてしまうところがこの映画の良さであり危険なところでもある気がします。
非常に共感性の高い悪役、悪のカリスマ足り得る存在であり、共感は出来てしまうけど誰でもジョーカーになれるわけではない、だからこそ彼は特別であり「悪」である…
制作側のジョーカーという概念に対する熱意や「カリスマ性の悪とはなんなのか」を丁寧に丁寧に描いていたように感じました。ジョーカーという架空のキャラクターでこれをやるのってめちゃくちゃな熱量だぞ、と思うし、逆に「ジョーカー」というキャラクターの概念でしかやれないことなんじゃないか、とも思うし…。
ジョーカーに共感してしまう人が世界にこんなに多くてこの映画が評価されたり、犯罪を誘発するのではないか?みたいな論が展開されるのってすごくメタ的だなと思うんですが、それ織り込み済みで作ってるような気がして底知れないなというか制作サイド力ありすぎではというか。けど本当は共感できるからこそ、自分たちもジョーカーに続くのではなく隣人に優しくしようと思えるようになるのが一番なんですよねなどと思ったり。
ていうかこの映画、悪しかないですね。社会や人間、この世の身近な全ての悪集めました!みたいな映画…(笑)途方もなくフィクション上の遠い世界の悪じゃなく、実感として感じられる悪意なのがまたいやらしいな。もうゴッサムシティ一回潰そう(?)
全体テーマと描いてるものがけっこうずっしり来るんですが、「バットマン」の映画としてもなるほどそうくるのか!という展開だったり、画面の構図とか演出がおしゃれだったりしてそういう面でも見どころあったなーと思います!
 
 
■まとめ
「ジョーカー」というキャラクター像をめちゃめちゃ真剣に描いたすごい作品でした。
この世界観と空気感でバットマンシリーズの新しい映画やってほしい…!DCはやはり暗くてなんぼみたいなところあるのでは!?(?)
 
ではまた〜!