「幸福なラザロ」感想文(ネタバレなし)

2018年/アリーチェ・ロルバケル監督
気楽に見れる★★
お話が凝ってる★★★
映像がすごい★★★
音楽が綺麗★★★

 

こんにちはやぁたろです!

今回はイタリア映画「幸福なラザロ」の感想文。予告で気になって見に行ったのですが少し内容が難しかったかも…。宗教的素養が低いので見たあとめちゃくちゃ考察を読み漁ってしまいました笑
イタリア映画は空気感が独特で最近ちょっと気になっています。

 

■現代の聖人寓話
舞台は現代社会から隔絶された小さな村。
純朴で働き者の青年、主人公ラザロと村人たちは、小作人制度が廃止されたことを隠されたまま領主の公爵夫人から搾取され、厳しい労働を強いられています。
ある日村にやってきた公爵夫人とその息子タンクレディ。母親である公爵夫人の搾取に疑問を抱いていたタンクレディは、ラザロを誘拐犯に仕立て上げ虚偽の誘拐事件を起こします。その事件をきっかけに小作人の隠蔽が世間に発覚し村人達は村の外へ出ていくことになるのですが…
 
モチーフは聖書の人物「聖人ラザロ」。映画全体の印象として少しぼんやりしているかな、というのもあるのですが、宗教的比喩表現が多いのでベースに知識がないとちょっと難しいかも…(私もかなり理解出来なくて後から回収していきました…)
主人公ラザロは、周囲の人達に自分を引き換えに何かを施し続けているんですよね。ラザロが施す奇跡が初見だとやや分かりにくいのも「ぼんやり」に繋がっているのかもしれません。終盤につれて奇跡の力がよりはっきりして神聖さが増していく印象です。
聖人が施しを与え続けても、周りの人間たちはその施しをもらいっぱなしにしてしまい返すことがない。これもある意味「搾取」なのかもしれません。前半の公爵夫人と小作人との対比にもなっていますね。
特筆すべきは主人公ラザロのビジュアルとしての神聖さでしょうか。映画全体の空気感ともあいまって非常に美しいです。役者の選び方がうまい…。イタリア映画の画面の独特なざらついた美しさが最近妙にツボなのでした。
 
 
■まとめ
久々に見た後かなり理解出来なくてうおーってなったんですが(笑)!解説を読んでなるほどなと腑に落ちる映画でした。ここは自分の素養の部分が大きいですね。精進します。綺麗な映画でした。
 
ではまた!