「カメラを止めるな!」感想文(ネタバレなし)

2018年/上田慎一郎監督

出演:日暮隆之 真魚ほか

気楽に見れる★★★★★

お話が凝ってる★★★★★

映像がすごい★★★★

 

こんにちはやぁたろです!

現在話題沸騰中の「カメラを止めるな!」やっと見られました!

 

上田慎一郎監督の「カメラを止めるな!」は、監督&俳優養成スクール「ENBUゼミナール」の「シネマプロジェクト」第7弾として製作された、予算300万の低予算映画。最初は2つの映画館だけで上映されていたのに、口コミで評判が広がり今や大ヒット映画になっています。

余談ですが、私はENBUゼミナールといえば私の大好きな「コワすぎ!」の白石晃士監督の「殺人ワークショップ」を思い浮かべたり。こちらはENBUゼミナールの映像俳優コースで講師を務めた白石監督が中心になって制作した卒業作品が元になって劇場で上映された映画です。

 

低予算、派手な宣伝なし、著名な俳優の起用なしでの大ヒット、さらには「ネタバレ厳禁」と、そんなの好奇心を煽られまくるに決まってますよね…!この煽り方も相まってヒットに繋がったのかなとも思っています。

ただ、評価が口コミで伝わって広まっただけあって中身もなるほど面白い!良い映画にたくさん人が入っててすごくうれしくなりました。

 

以下、「ネタバレ厳禁」なのでなんだかもう既に世に出ている感想と似たり寄ったりになってしまうのですが(笑)今回の感想文です。

なるべく内容に触れないつもりで書いてますが、それでももう絶対見る予定になってる人はなるべく映画本編を見終わってから読んでください…(笑)

 

 

 

■丁寧に作られた笑いは面白い!小技が効いてる良い映画

公式サイトやチラシにもあるように、前半約30分はワンカットで撮られたゾンビ映画。「ゾンビ映画を撮影していたところに本物のゾンビが現れ…」という、設定から内容から何までベタでありいかにも低予算ホラーっぽい!という展開で進み、いろんな意味でこのワンカットパートも単純にゾンビ映画としての面白さを持っているのですが、「カメラを止めるな!」は「…を撮った奴らの物語」なのです。

前半の「低予算ホラー感」やワンカット撮影の技術力、からの後半の丁寧に仕込まれた笑いの面白さやもう一度冒頭から見たくなるギミック、そして後半パートという短い時間の中でしっかり人間ドラマや我々も現場にいるような臨場感を描き、最後にはみんなで「すごい!あーよかったー!」と気持ちが一つになり思わず拍手したくなる…

これらは間違いなく監督・脚本の手腕でありまさに「お見事すぎる!これは良い映画を見てしまった…!」という、「ただ楽しい映画を見た」という枠に収めることのできない熱量を体験できてしまうのです。ほんとに天才の映画です。映画っていいね。

 

また、「撮った側の物語」という言葉からも分かるように、「カメラを止めるな!」は映像製作現場の物語です。

私は映像制作の現場に直接関わったことはありませんが、少~しだけものづくりの現場での仕事をしていた経験があるので、現場の空気感とか上からの無茶振りとか、なんとなく「あ~分かるな~(笑)」となってしまいました…。映画全体がふわっとゆるめの雰囲気なので、深刻に「分かる…(胸が締め付けられる)」というよりは、「(笑)」の範疇に収まったものなのですが、これもまたうまいな~と思うポイントです。全方位に向けて徹底して娯楽映画ですね。

 

キャスティングもこれまたいい味だしてます。決して華やかさ溢れる画面ではないのですが、全員の空気感が舞台に絶妙にマッチしていてリアルなんです。これって華やかさとか有名さより大切なことなんじゃないでしょうか。

 

あとこれも余談なのですが、私が席を予約したときまだ自分を含めて3席しか埋まっておらず「えーっ嘘やん、札幌民って映画見ないのかなあ…」と思っていたのですが当日行ってみればほぼ満員、ミニシアターでは珍しいくらいに人が入っててちょっと安心しました(笑)。

さらに嬉しかったのが、近くにいた女性客2人が「映画なんて久々に見に来たよ~」と言ってた声が聞こえたこと。

「有名俳優の誰々が出てるから」とかシリーズとしての実績があるから、すごく宣伝されているから、、、ではなく純粋に「面白そう」と思って映画を見に来て、実際すごく面白くて、ブームになって広がっていく。もうこれ、全てのコンテンツがこうあってほしい…(笑)と思うくらい素晴らしいことだなと思いました。

これを含めて「カメラを止めるな!」が見せてくれる素晴らしい映画体験なんじゃないでしょうか。

 

 

■まとめ

まだ上映している劇場は拡大中の段階で、見たくても見られない地域があるみたいなのですが(札幌も先週からやっと見れるようになりました…)

お近くに上映している映画館がある方は是非見に行ってみてください!元気が出ます。

 

ではまた!