「帝一の國」感想文(ネタバレなし)

2017年/永井聡監督

出演:菅田将暉 志尊淳 ほか

原作:古屋兎丸帝一の國

気楽に見れる★★★★★

お話が凝ってる★★★★★

映像がすごい★★

顔面力★★★★★

 

帝一の國に関しては、原作大好きなので劇場公開当日に「漫画の実写化だけどどうなんだろう…!?」って思いながら見に行ったのですが笑 最近もう1度見たので感想文です。

劇場で公開してからもう約1年なんですね。ここ1年ほどは気になった映画はなるべく見るようにしてるので、当たりもありハズレもありですが笑 帝一はすごく良かったので嬉しかった思い出があります。
(基本的に良かった映画の感想文しか書かないつもりです笑)
 
 

 

 
▪️イケメンを集めたらちゃんと「古屋漫画の実写」になった
私は元々古屋兎丸先生の大ファンで、古屋先生の漫画はほぼ欠かさず集めてます。逆にほかの漫画は今ほとんど読んでないです…笑
 
帝一はジャンプSQ連載で比較的メジャー寄りなものの、古屋先生のタイトルはどちらかと言うとサブカルチャー寄りの作品が多いので、「こんな有名な俳優を集めて映画やって大丈夫なの!?」と思いました笑
 
ところがいざ見てみると、原作にほぼ忠実な内容を再現しつつ、映画という限られた時間内でもしっかり楽しめる構成になってるし、演じる俳優さんたちもみんな「古屋漫画のキャラの顔」になってる。古屋先生の絵柄は耽美な感じでかなり特徴があると思うのですが、顔がいい人をたくさん集めるとちゃんと古屋空間になるんですね。個人的には千葉雄大さんが案じていた森園先輩が本当に似てました。
 
余談ですが、劇場に見に行った時は案の定原作ファンではなく俳優ファンの若い女の子達がたくさん見に来ていて、隣にいた二人組の女の子は菊馬を演じていた野村周平さんのファンだったらしく、見終わったあとに「意地悪な役だったね…」と言っていたのが記憶に残っています…笑
どちらかと言うとネタキャラな菊馬も、イケメン俳優が演じているので完全に古屋キャラの顔になっていました。やはりイケメンの力はすごい。
 
 
▪️内容も雰囲気も古屋漫画の良さが出てる
俳優さんたちの顔面力のおかげで、画面がしっかり古屋漫画空間になっているのは前述しましたが、演出や内容もしっかり原作漫画の良さが出ててすごく嬉しかったです。
 
古屋先生の漫画はどのタイトルも本当に「漫画としてすごくうまい」ものばっかりで、そこが好きなポイントなんですけど、帝一の國は真面目とギャグの間みたいな漫画なんです。
 
主人公帝一が将来総理大臣を目指すために、超有名高校である海帝高校の生徒会長を目指していく物語。高校生のお話ではあるものの、青春漫画というよりは汚い政治の話みたいな(笑)内容です。
テーマや内容は真面目なのですが、作中に出てくる派閥争いや選挙の票集めの方法なんかがすごくぶっ飛んでいて、いやこれギャグ漫画でしょ?みたいなところが多い。映画にも出てくるマイムマイム事変とか、冷静になるといやマイムマイム事変って何?ってなってしまいます。
でもいかんせん漫画としての見せ方や絵がうますぎて、謎の説得力が発生してしまう。漫画全体を通して謎の説得力で押し切られるような不思議な勢いがあります。
 
映画も、時間内に収めるために多少の原作との違いはあるもののおおよそ原作前半の内容をしっかり踏襲していて、演出と俳優の顔面力で謎の説得力を出してくる。まさに原作漫画を読んでいるときと同じ感覚が映画を見ていても味わえて、「この映画、ちゃんと「古屋先生の漫画の実写」になってる!」とすごく楽しんで見ることができました。
本当に大好きな作家さんと漫画なので、良い実写映画になってすごく嬉しかったです。俳優さん目当てで映画を見た人にも、原作を読んで古屋先生の漫画の良さも知って欲しいなと思いました。(漫画は先生の性癖出すぎかもですが笑)
 
 
▪️まとめ
昨今の実写ブームで実写は飽和状態な感もありますが、帝一の國は単純に映画として面白い作品になっていたのですごく良かったです。イケメンをいっぱい集めて帝一を実写映画にしようって提案してくれた誰か本当にありがとう。
原作漫画共々おすすめ。