「哭声/コクソン」感想文(ネタバレなし)

2016年/ナ・ホンジン監督

出演:クァク・ドウォン 國村隼など

気楽に見れる★

お話が凝ってる★★★★★

映像がすごい★★

こわい★★

 

こんにちはやぁたろです!ここ最近は北海道もさすがに暑くてすっかりバテ気味です…。

夏だからというわけではありませんが(一年中ホラー見てるし…笑)今回は韓国発サスペンスホラー「哭声/コクソン」の感想文です~。

 

 

 

■韓国版閉鎖的田舎の土着ホラー

別にホラー映画好きではないと散々書いているのですが(笑)田舎で起こる怪奇現象とか、オカルトとか宗教に基づく「人間VS人智を超えた何か」とかやっぱりイイな…と思います(笑)「哭声」の田舎っぽい感じも、「ひぐらしのなく頃に」とかと共通する雰囲気があるかなとか…。

「見たら気が狂う」系の怪奇と田舎との相性のよさもばつぐんですね。

 

何の変哲もない田舎の村、谷城(コクソン)では、村人が突然家族を惨殺する事件が立て続けに発生しています。

幻覚作用のあるキノコを食べて錯乱したのが原因だと発表されますが、容疑者は皆謎の湿疹を発症している、など説明がつかず不可解な点が多い。そんな中、山の中で暮らす謎の日本人が怪しい、呪いや祟りなのではないか…という噂が広がります。

この殺人事件の捜査をする主人公の警察官・ジョングは、はじめはオカルトのような噂に対して懐疑的でしたが、日本人の男に関する怪奇現象や、男の家の謎の祭壇や大量に貼られた事件現場の写真を目撃。

遂にはジョングの娘・ヒョジンにも奇怪な現象や行動が見られ始め、男に対する疑いを強め、精神的にも追い詰められていき…

 

平凡で平和な家族と村が少しずつ「異様ななにか」に追い詰められる描写が見事でこわいです。

劇中終始「異様なもの」として描かれる山の中に住む日本人も、姿かたちは同じ人間でもどこか異様で不気味です。日本人の俳優が演じることで、同じアジア人だけれど韓国の村の中では違和感のある存在として浮いて感じるのもうまい演出だと思いました。そして演じる國村隼さんの演技がまた絶妙な人外具合ですごい…。

日本人役の俳優はもちろんのこと、全体通してどの役者さんも迫真の演技で、だんだんと現実感のない様相になっていくストーリーの中にも説得力があります。ジョングの娘・ヒョジンが狂気に取りつかれてからの演技もものすごく不気味でした…。

 

 

悪霊による奇行の表現や祭壇・呪術の美術などは同じアジア圏なので肌感覚が同じなんだなと思ったのですが、一つ思ったのは、韓国の除霊の儀式、ファンキーすぎます(笑)

太鼓やら楽器がすごい!ビート刻みすぎてる!色も鮮やかだしもはや祭りか!?これに関しては日本でよくある厳かで不気味な儀式と全然ちがったので文化の違いを感じましたね。

 

冒頭で聖書の引用があるように、劇中ではキリスト教を意識したりモチーフに用いた要素・ギミックが多数登場するのですが、自分は教養がないので厳密に言及できず…。すみません。(解説ブログなどたくさんあるので調べてみるとものすごく楽しめます)

宗教モチーフの演出があると、「人間では理解できないなにか」の正体が神とも悪魔とも悪霊とも断定できず、断定できないことで正に理解できない、人間より上のステージにいる何か…みたいな要素が強くなると思っていて個人的には好きなのですが、いかがでしょう…(笑)

 

日本人の男や殺人事件との絡みに村に伝わる伝承とかが絡んでたら100%私が大好きなホラーになってただろうな、とも思ったのですがそれだと和製B級ホラーですね(笑)とにかく面白かったです!

 

 

■まとめ

なんの予備知識もないときは勝手に東野圭吾とか宮部みゆき系のサスペンスだと思ってたのですがけっこうがっつりホラーだと知って俄然興味が湧いて、結果大満足でした…(笑)

アジアホラーの雰囲気もなかなか良いもんですね!

今回はこんな感じで、ではまた~。